現役駅員が教える2023年春電車も新幹線も運賃・料金値上げラッシュまとめ

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昨年2022年はコロナ禍と世界情勢の影響で輸入品や物の値段が値上がる年でした。
鉄道業界はコロナの規制緩和や全国旅行支援の恩恵を受け、鉄道各社が軒並み利用者が増え利益が黒字になってきています。しかし2019年度の水準までは戻っていない状況で、この先も2019年までの水準に戻ることはないと予想する会社もあります。

そこでJR各社や私鉄は運賃・料金の値上げを2023年春に実地します。
この記事ではJR各社の値上げする具体的な内容をまとめて紹介します。

知らずに利用していては損する一方ですよ!知ればその対策ができます!

この記事を読めば

  • シーズン別指定席特急料金 最繁忙期の設定が各JRで開始
  • 人口減少やバリアフリー料金制度の名目で一部区間運賃値上げ
  • JR東日本 「オフピーク定期券」の導入 通常の定期券は値上げ
  • 一部区間の安い特急料金制度が廃止、また乗り継ぎ割引の一部区間廃止
  • JR西日本 山陽新幹線新大阪~博多間「のぞみ」「みずほ」値上げ

上記のことがわかります。ご案内しますのは

やすべえ

現役鉄道マン旅行プランナーのやすべえが教えます
プロフィール詳細へ

※上記の内容はJR各社ホームページのニュースリリースをもとに2023年1月27日現在やすべえがわかりやすくまとめたものです。

結論を先に見たい方は下記のタブをクリック

2023年4月1日から「最繁忙期」設定され、カレンダーの利用日に応じて指定席特急料金が変更となる
グリーン車・寝台車にもシーズン別料金適応
JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州 JR東日本はすでに一部設定済み


「最繁忙期」は→「繁忙期」より+200円高い 「通常期」より+400円高い 
「閑散期」→「通常期」の値段より-200円安い


利用が特に多いGW・お盆・年末年始のピーク期間に「最繫忙期」を設定

JR東日本は他のJR会社とカレンダー設定日が違うため各社のカレンダー参照してください

それでは詳しくわかりやすくご案内します。

目次

値上がり指定席特急料金・グリーン車に「最繁忙期」の設定

2023年4月1日からJR東海・JR西日本・JR四国・JR九州間で走っている新幹線や特急列車利用時に、
シーズン別料金体系が変更になります。JR東日本は一部先に導入しています。

改定前
  • 繁忙期 →通常期より+200円高い
  • 通常期 →設定した通常の料金
  • 閑散期 →通常期より-200円安い
改定後
  • 最繫忙期 →通常期より+400円高い
  • 繁忙期  →通常期より+200円高い
  • 通常期  →設定した通常の料金
  • 閑散期  →通常期より-200円安い

利用が特に多いGW・お盆・年末年始の各期間を中心に最繫忙期を設定し、混雑している時期から利用日を少しずらしてもらうことでお客さんは安く目的地まで行けます。
最繫忙期の期間後には改正前より通常期や閑散期を設定して安く利用しやすいように変更

※JR北海道は「繁忙期」「閑散期」自体の設定がないため通年「通常期」です(北海道新幹線はシーズン別料金有)またJR九州の西九州新幹線と在来線特急には「閑散期」がなく「通常期」になります。

2023年JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州内のシーズンカレンダー

JR東海ニュースリリース情報(pdf)より

上記を見ると、ゴールデンウイークは4月28日~5月7日まで「最繫忙期」でその前後日は「閑散期」となっています。
休みがずらせて、少しでも安く出かけるのであればゴールデンウイーク前後が狙い目です。


JR東日本管内と北陸新幹線・北海道新幹線や一部の在来線特急列車は以前から「最繁忙期」設定がされており、他の鉄道会社とシーズンカレンダーが独自のものになっています。下記の表をご覧ください。

2023年JR東日本管内のシーズンカレンダー

JR東日本ニュースリリース情報(pdf)より
やすべえ

若干他のJR会社と違うのできっぷを購入する際は注意

グリーン車および寝台車も値上がり シーズン別料金導入

最繫忙期設定と同時に今までシーズン別料金を設定していなかった、グリーン車・寝台車・グランクラスに「最繫忙期」「繁忙期」「通常期」「閑散期」が導入します。

開始日は2023年4月1日・カレンダーも上記の表と一緒です。

ただし

  • JR北海道はシーズン自体がないため通年「通常期」設定(北海道新幹線は有り)
  • JR東日本は一部の特急列車は対象外
  • JR九州の西九州新幹線と在来線特急には「閑散期」がなく「通常期」

グリーン車・寝台車・グランクラス車に乗車する場合は

乗車券 +指定席特急券 +グリーン券・寝台券・グランクラス券
となります。

指定席特急券とグリーン券などで「最繫忙期」の場合+400円+400円と二重取りはありません

グリーン車などを利用する場合はグリーン券等にのみシーズン別料金が設定されます。
またグリーン車・寝台車・グランクラス車を利用する場合は必ず指定席特急券から-530円引かれます

詳しくは下記の記事リンクに記載してますのでご覧ください。

電車や新幹線のきっぷの種類と使い方 特急券とグリーン券の違いとは?

電車の運賃値上げJR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国

JR東日本・JR東海・JR西日本は国土交通省が進める新たなバリアフリー化の整備目標達成に向けて、
「鉄道駅バリアフリー料金制度」を利用して運賃に+バリアフリー料金が加算されます。

「鉄道駅バリアフリー料金制度」については国土交通省ホームページへ
各社いただいた料金はホームドアやエレベーター・多機能トイレなどの設置費用に当てられます。


JR四国はコロナ禍の利用者減少と少子高齢化・人口減少のため、
2023年5月20日よりJR四国内全区間運賃・料金を値上げします。

対象エリアはどこ?

バリアフリー料金適応のエリアは限定しています。
まずはJR東日本から

JR東日本バリアフリー料金適応エリア

JR東日本ホームページより

上図のエリア以外を利用の場合(エリア内とエリア外をまたがって利用する場合を含む)乗車は運賃加算はされません。

JR東海バリアフリー料金適応エリア

JR東海ホームページより(pdf)

JR東海エリアがJR東日本とJR西日本の区間にあり、それぞれバリアフリー料金適応時期が変わります。

東京地区

2023年3月18日ダイヤ改正日から開始

関西地区

2023年4月1日から開始

そしてJR東海の名古屋地区は

名古屋地区

2024年4月1日から開始

JR東海は地区ごとに利用開始日が違うので注意してください。

JR西日本バリアフリー料金適応エリア

JR西日本ホームページより(pdf)

JR西日本は2023年4月1日から図の左側の範囲でバリアフリー料金を適応します。その後2025年度には図右側の範囲に拡大します。

バリアフリー料金いくら徴収する?

各JR会社は対象エリア内の運賃に+10円加算します。

JR東日本地区では
・紙のきっぷで利用すると10円単位の運賃
・ICカードで利用すると1円単位の運賃

で計算されますが、今回の制度では一律に10円値上げします。

小児運賃の計算は?

小児運賃は各社とも既存の大人運賃+バリアフリー料金の10円を足して半額にしたのが適応されます。
半額にして155円になった場合は1円単位切り捨てで、150円になります。


大人運賃300円の場合→ 300円+バリアフリー料金10円→ 310円÷2→ 155円→ 150円

定期券の運賃も値上がりする

JR東海とJR西日本の通勤定期券は

1ヶ月3ヶ月6ヶ月
300円900円1,800円

1日10円でそれが30日の計算です。通学定期券は対象外なので加算されません。

JR東日本は上記の2社と違い

1ヶ月3ヶ月6ヶ月
280円790円1,420円

他2社より安い値段設定です。こちらも通学定期券・FREXパル(通学用)は対象外なので加算されません。

JR東日本内対象の定期券は通勤定期券(後ほど説明するオフピーク定期券含む)、FREX(通勤用)、グリーン定期券、山手線内均一定期券、一部の特別企画乗車券が値上げとなります。

JR四国内の全運賃・料金を値上げ

コロナ禍の影響で鉄道業界は営業利益がどの会社も赤字続きでした。持ち直してきている会社もありますが、2019年以前の活気は戻っていません。

JR四国も影響は受け2021年度決算は営業損益で、-202億円の赤字で経営安定基金運用
を充当しても-33億円の経常赤字と厳しい経営状況です。そこに少子高齢化・人口減少・老朽化設備の更新などもあり会社として経営努力はしてきましたが、JR四国内の運賃・料金を上げざるおえなくなりました。

JR四国の運賃・料金改定は2023年5月20日です。
詳しくはJR四国運賃・料金改定お知らせページへ

JR東日本「オフピーク定期券」を導入 値下げ&値上がり

コロナ禍で生活様式がガラッと変わってきました。「密にならない」この言葉よく聞いていたと思います。
鉄道会社では密にならない工夫や換気・除菌をしてきましたが、関東などの人口密集地での電車の利用はどうしても通勤で混雑してしまいます。

最近のトレンドとして普通の通勤電車でも席を予約して確実に着席して通勤できるサービスが増えています。
そのなかでJR東日本は「オフピーク定期券」制度を開始します。
平日朝のピーク時間帯以外の時間帯にのみ定期券として利用でき、通常の通勤定期券よ安く購入できます。
「オフピーク定期券」2023年3月18日利用開始です。

オフピーク定期券の注目ポイント

注目ポイントはここだ!

  • 運賃改定前(2023年3月17日まで)の約10%値下げして+バリアフリー料金
  • 今までの定期券は運賃改定前(2023年3月17日まで)の約1.4%値上げ+バリアフリー料金
  • オフピーク定期券利用中→ピーク時に利用するとICカードのチャージ金額から引から減額
  • ピーク時間帯は駅ごとに設定(早い駅では横須賀線久里浜駅の6:05~)
  • 対応エリア内の自動改札に入場した時に「ピーク時か判定」している
  • JR線と他社線にまたがる場合、適用区間内のみオフピーク定期券が利用可能(JR線のみ適用)
  • 対応券種はSuicaとモバイルSuicaのみPASMOはダメ
    • 通学定期券、グリーン定期券、FREX及びFREXパルは対象外
    • 障害者割引、特定者割引は対象
  • 平日の朝ピーク時間帯以外は普通に定期券として利用できる

JR東日本が出しているオフピーク定期券の詳細はこちらへ 各駅の定期運賃も記載しています。

オフピーク定期券の利用可能エリア

JR東日本オフピーク定期券ページより

オフピーク定期券のエリアはバリアフリー料金適応エリアと一緒です。
エリア内のJR線と他の私鉄・地下鉄にまたがる連絡定期券で、JR線が適用区間内のみの場合はオフピーク定期券の利用が可能です。

また同じJR線でも適応エリア外の駅から適応エリアの駅を利用する場合は、オフピーク定期券は利用できません。通常の定期券購入となります。

オフピーク定期券の購入方法

2023年3月18日より発売します。初めて購入する際は「新規購入」になります。「継続購入」はできないので、現在使用している定期券を払い戻すか、最後まで使い切ってから「新規購入」で契約します。

購入できるのはモバイルSuica のほか、首都圏Suicaエリア内のJR東日本の駅の指定席券売機、多機能券売機、みどりの窓口で販売。

JR西日本特急料金統一で実質値上げ&乗継割引一部区間廃止

JR西日本ではコロナ禍での経営状況悪化のため、今まで通常より安く利用できた特急料金(B特急料金)を廃止し、全て通常の特急料金(A特急料金)に統一されます。これにより関西空港へ向かう「特急はるか」や城崎御温泉へ向かう「特急こうのとり」「特急きのさき」などが実質値上がりします。

また新幹線と在来線特急列車とを乗り継ぐ場合に適用となる「乗継割引」を山陽新幹線の岡山~新下関間の新幹線各停車駅で廃止します。よって岡山駅から乗り継いで出雲大社などに行ける「特急やくも」などは実質値上げとなります。
在来線特急料金が乗継割引で半額に今までなっていたのがなくなるので、かなりの値上がり感が生じます。

どちらも2023年4月1日から開始です。
詳しい値段についてはJR西日本在来線特急料金の一部見直しについてのホームページへ(pdf)

実質値上げ特急列車一覧

A特急料金に変更になる列車

「能登かがり火」「こうのとり」
「きのさき」「まいずる」「はるか」
「くろしお」「らくラクはりま」

一部区間利用時値上げ対象列車
「スーパーはくと」「はいだて」「びわこエクスプレス」

乗継割引廃止の特急列車

「やくも」「うずしお」
「寝台特急サンライズ」「スーパーいなば」「しおかぜ」「スーパーおき」

山陽新幹線 「のぞみ」・「みずほ」の利用料金値上げ

JR西日本はコロナ禍のテレワークなどの社会生活変容とさらなるサービス改善を図るため、
山陽新幹線 新大阪~博多間を走行する「のぞみ」と「みずほ」の利用料金を値上げします

やすべえ

「のぞみ」「みずほ」の速達性の高い新幹線にはすでにプラス料金(のぞみハイスピード料金)が加算されています。


今回はそのすでに頂いている速達料金(のぞみハイスピード料金)
が110円~420円の範囲で値上がりします。

※ただし今回の改定で、のぞみ号・みずほ号の自由席特急料金及びエクスプレス予約、
e5489(e きっぷ)などのネット商品には変更ありません。

2023年3月31日まで指定席特急券(通常期)
・新大阪~広島間は4,910円の料金→ 改定後は5,230円の料金になります。プラス320円
・新大阪~博多間は5,810円の料金→ 改定後は6,230円の料金になります。プラス420円

最繁忙期で新大阪~博多間「のぞみ」指定席を利用した時、改定前の通常期利用と比べた場合は820円も値上がってしまいます。

2023年4月1日から開始します。
詳しい内容はJR西日本のぞみ号・みずほ号料金見直しホームページへ(pdf)

のぞみ・みずほ料金値上げの適応区間

適応区間は前述のとおり山陽新幹線の新大阪~博多間です。なお東海道新幹線及び九州新幹線
にまたがって利用する場合は山陽新幹線区間料金値上げの対象となります。

改定後、東京~博多まで「のぞみ」を利用した場合は、山陽新幹線区間の新大阪~博多間のプラス420円増額するということです。

まとめ

コロナ禍になってから毎年のように物の値上げが増えています。鉄道業界も大打撃を受け、各社試行錯誤しながら運営していましたが、持続的な公共交通を維持していくため運賃・料金の値上げにふみきったり、バリアフリー設備投資費用に回すため値上げしています。

今はICカードやクレジット決済などが主流になって駅に貼ってある運賃表も見る機会がなくなり、駅間の値上がりに気づかない方が多いのではないでしょうか。各会社はホームページへや駅頭掲示で改正内容を告知していますので、この機会に見てみてはいかがでしょうか。

ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
少しでも便利にお得に鉄道を利用し旅行していただけたら幸いです。

あなたの目的地まで出発進行!

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